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インテル株式会社
アジア・パシフィック・ジャパン
データセンター・グループ・セールス
Al テクニカル・ソリューション・スペシャリスト兼アドボケイト

教育顧問

大内山浩

驚異的な進化スピードを遂げるAIと人間のミライ。

絶えずイノベーションを続けるAI業界。
そんなスピーディ&ダイナミックな業界で、唯一無二のスキルを武器に、
世の中にない新しいものを創りだし、日本のインフラを支える大内山浩氏。
果たしてAIが人類の知能を超えるのか!?
未知なる可能性を秘めたAI業界のトップランナーとして挑戦し続ける
大内山氏のスペシャルインタビュー。

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インテル株式会社
アジア・パシフィック・ジャパン
データセンター・グループ・セールス
Al テクニカル・ソリューション・スペシャリスト兼アドボケイト

教育顧問

大内山浩

HIROSHI OUCHIYAMA

複数の外資系IT企業を経て、2019 年にインテル株式会社へ入社。ITエンジニアからビジネスコンサルタントまで経験してきた幅広い知見を武器に、日本中のお客様のAIの事業実装を技術面およびビジネス面からお手伝い。2020 年10 月よりTECH.C.の教育顧問に就任し、AIゼミの提供、および、学生とAI オープンソースプロジェクトを遂行中。座右の銘は「まずはやってみよう」。

IT業界を支えるインフラ企業。

 はじめに、「AIテクニカルソリューションスペシャリスト」とは、どんなお仕事ですか?

大内山 日本では技術営業と言われますが、弊社のAI技術をお客さまにご購入いただくための営業や技術支援をするという活動がメインになります。さらに、弊社においてはその活動だけにとどまらずAI導入に向けたコンサルテーション、場合によっては、エンジニアとしてシステム設計をしたり、プログラマーとしてお客様と一緒にコーディングするなんてこともありますし、最近では社内外のイベントに登壇して弊社AIのビジョンや製品をアピールするなどもやらせていただいています。インテルの日本法人のなかでも僕のようなAI特化のポジションはそこまで数が多くないため自ずと一人当たりの業務領域も広くなりますので、カジュアルに自己紹介するときは「AIの何でも屋」とお伝えしています。

 アメリカ本国と日本のインテルでは、業務領域は異なるのですか?

大内山 多くの外資系企業と同様に、主要製品であるCPUの設計・製造およびAI系を含むソフトウェアの開発はアメリカにある本社が主導し、そこで開発された製品を日本のマーケットへお届けするのが私たち日本にいるインテル社員の使命です。当然ながら日本のお客様のご要件やペインポイントなどをより深く把握し、弊社の幅広い製品ポートフォリオの中からよりフィットする製品のご提案や導入支援等を行うような体制になっています。現在、弊社のAI事業は会社の肝となる経営戦略において非常に大きな柱の一つとして位置づけられており、投資が活発な領域です。それだけ世界中でニーズもあるということですね。

 御社の魅力についてもお伺いできますか?

大内山 まずは圧倒的なスケーラビリティが魅力です。例えば、現在我々はパソコンやサーバーといったコンピュータ無しでは生活できなくなっていますよね。そのコンピュータに搭載されていて脳みそのようなパーツがCPUで、CPU市場におけるインテルのマーケットシェアは圧倒的に大きいです。つまり、インテルは単なるCPUの会社ではなく、世界中に社会インフラを提供している会社だととらえています。もう一つの魅力は公正性です。世の中のITを支えるインフラ企業として、これまでに多様なお客様との協業を通して広く深いビジネス的および技術的知見を得てきました。そのような知見に基づき、お客様に対して公正な目でアドバイスをしたり、ご相談に乗ることができると思っています。それと、非常に経験豊かで優秀な社員が多くいますので、そんな素晴らしい仲間と一緒に仕事ができる環境も魅力だと思います。

肺炎の検出速度を10,000秒から250秒へ、
AIで医療現場をサポートする。

 これまでどんな業界にAIを導入されましたか?

大内山 小売業界、製造業界、金融業界などすべての業界が対象となるのですが、そのなかでも印象深い事例は理化学研究所さまの案件です。理化学研究所に所属する先生のお一人が、AIの画像認識を使ってレントゲン写真から肺炎を検出するための画像認識モデルをAIを活用して開発されたのですが、現場での運用に向けて推論処理の検証を弊社のCPU上で行うと、非常に処理速度が遅いものだったのです。推論速度の遅さは検出速度の遅さに繋がり、患者さんやお医者さんのユーザー体験を損ない、最悪はシステムとして使い物にならない、ということになりかねない。そこで「何とかしてスピードを速められないか?」というお題をいただいたのです。当初導入されていたのは、インテルにとって競合他社のGPUというチップで、2万枚ほどの画像を約700秒で推論していました。それに対し、インテルのCPUで動かすと当初は1万秒以上もかかってしまっていました…。お客さまとしては当然早いほうを使用されたいので競合さんをベースにシステムを構築しようと考えられていましたが、GPUは正直お安いものではないのでコストがかかってしまいます。しかし、インテルのCPUであればコンピュータに必ず入っているものですから余分なコストを払わなくて済みます。つまり、コストを抑えて速度を上げることが私たちに与えられた課題でした。競合は700秒、うちは10,000秒。さあ、どうしようか?と、一瞬目の前が真っ暗になりました(笑)。様々な検討を行った結果、弊社のOpenVINOというAIの推論速度をCPU上で高速化させるソフトウェアを使い、かつ、いくつかの特殊な処理を組み合わせることにしました。すると最終的には当初よりも40倍速い約250秒という時間で推論を完結させることが可能となり、お客様のご要件を満たせたことで、無事問題解決に寄与できました。この事例のように日本中のお客様のサポートに全力で取り組んでおります。

 御社はスマートシティプロジェクトにも携わっていらっしゃいますが、そこではAIはどのように導入されていくのですか?

大内山 スマートシティといっても様々ですが、例えば自治体のコミュニティバスのような一定のエリアを巡回するクルマのスマート化プロジェクトに参加しています。

2045年、AIが人類の知能を超える「シンギュラリティ」
はやってくるのか。

 2045年に、AIが人類の知能を超える転換点「シンギュラリティ」が到来すると言われていますが、今後AIと人間の関係性はどうなって行くと思いますか?

大内山 来ましたね!これは超グッドクエスチョンというか、すごくハードクエスチョン(笑)。まずシンギュラリティとは「技術的特異点」と訳されるのですが、AI自らが今の自分よりも賢い自分を生み出すことが可能になり、常識だと思っていたことが全く常識でなくなる。つまり、我々の現在の常識とか知識だけでは想像しがたいことが起こり得るということです。一歩間違えばものすごく悪いAIができる可能性も…。そこで私たち人間としてできることは、AIに対してモラリティを教え込んでいく必要があると思っています。僕一個人の意見ですが「人間はなぜ生きているの?」という哲学的なことが実はシンギュラリティ以降、AIを制御する上でのヒントになるかもしれないと。つまりAIはコンピュータですから、自分を必ず「最適な方向」に持っていくはずで、それがAIの生きる意味だと思っています。ですから、今のうちからAI自身が生きる意味を正しく軌道修正できるような技術を人間が開発していかなければと思っています。もし、人間がAIを制御することができなければ、『ターミネーター』のような世界が本当に起こり得るかもしれません。

 最後に、どんな人がAI業界に向いていると思いますか?

大内山 学生のみなさんには「面倒くさがり屋な努力家」になっていただきたい。AIもITも人間の生活を少し楽にするためのものですから、普段生活しているなかで「不便だな」「面倒くさいな」ということに敏感になってください。その面倒なことに対して「どうやったら楽になるか?」を自らで探し出す思考法を日頃からやってみると良いですよ。

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